エルセーヌのメンズエステ体験コースのチケットを頂いた
僕の彼女はエステサロンに通っている。月に1度だが、1時間ちょっとかけて、フェイシャルコースというものをやっているようだ。
「接客業だからね。お客さんから見たときに、肌とか荒れてるの恥ずかしいし、なにより、化粧のノリがよくなるのよ。女のお客さんとか、意外と肌とか見てるからさぁ。化粧のノリひとつで、印象がよくなったり悪くなったりするわけよ」
というのがエステに通う理由らしい。まぁ、それも一理ある。一理あるが、月に1度とはいえ、彼女が通うエルセーヌの近くで1時間以上も一人で待たされるのは、あまりいいもんじゃないんだよなぁ…。
一応、やんわりと、そんなことを言ってみた。せっかくの休みなのだから、もっと二人の時間が欲しいのだ。なんだかんだで2時間待つこともある。食事は二人でしようと思っているから、カフェで待つにしても、コーヒーばかり飲むのにも限度があるのだ。
今日も1時間半待って、ようやく彼女が出てきた。エステのあとはご機嫌で、僕の不機嫌さなど、全くおかまいなし。自分の分のアイスティーを頼む余裕まである。僕はもう、何も飲みたくないくらい、胃がコーヒーの海になっている。
「一人で待つの、たいくつだって言ってたでしょ。だからさ、いいものもらってきたよ。」
そういって一枚のチケットをテーブルに置いた。
「メンズエステ」と書かれているチケットには「エステ体験無料ご招待券」と大きく書かれている。
「私の行ってるエステのすぐ近くにあるんだって。だからさ、わたしがエステ行ってるあいだに、あなたもエステに行けばいいんだよ。同じ接客業なんだからさ。顔が脂っぽくなるの、気にしてるじゃん。そういうのも改善されるってさ」
まぁ、これだけ彼女がご機嫌になるくらいだから、エステというのは行く楽しみがあるものなのだろうが、男としてエステというのはどうなんだろうか…?
でも、もし、これで一人で待つ退屈が解消されるなら、行くのも悪くないかもしれない。
「とりあえず、エステ体験してみなよ」
と、彼女が積極的なので、前向きに考えることにしよう。